No.12 計画的な操業と適切な運営・管理で「品質事故防止を」‼
・・・・・貯蔵籾の穀温管理は細心の注意と各種帳簿類の記帳を確実に・・・・・

 カントリーエレベーターにおける品質事故(発酵ヤケ米)は、高水分籾の過剰荷受け、長時間のテンパリング、長期にわたる半乾貯留、穀温管理不足など、不適切な乾燥作業によるものが多い。
 又、最近では、荷受け・乾燥作業時の外気温が高いため、乾燥後のクーリングパスで穀温が十分に下がらず、やむを得ずそのまま半乾乾貯留や貯蔵を開始するケースも増えているが、その後のローテーション操作や穀温管理等が適切でなかったために品質事故になった事例もあります。
 近年、食品である米麦を取扱うCEの衛生管理に対する消費者・実需者等の要請は厳しさを増しており、CEも大切なお米を預かる食品工場でありますので、品質事故の発生は防止しなければなりません。
 品質事故防止のためには、乾燥能力に応じた計画的な荷受け、各作業工程における基本操作の遵守が欠かせません。そのためには、施設運営をオペレーター等現場作業者に任せきりにするのではなく、経営者・施設管理者、利用組合等生産者組織も含めた三者が一体となって円滑に進めることが重要です。(農業倉庫CEと防災誌№134号抜粋)
 今後は、貯蔵(保管)籾の適切な管理の段階に入り、サイロの中は外から見えませんので穀温測定が唯一頼みの綱です。外気温度・サイロ内の上部空間の気温等併せて把握し、品質保持について、下記事項に留意して、今後の施設稼働をお願いします。

1.貯蔵籾の品質保持について

① 貯蔵穀温が20℃以上のときは、籾の品質劣化が早くなることから、出来るだけ早期に20℃以下になるようにして下さい。また、ローテーションの時には、サンプルの採取を行い異臭等、品質の確認を行って下さい。

② 外気温との温度差が大きいと結露が発生しますので、ローテーションを行って、穀温を外気温に近づけて下さい。

③ 穀温の上昇は品質事故の兆候が出ておりますので、ローテーションは秋から冬、冬から春、春から初夏の外気温変化に合わせて行って下さい。
※ローテーションを行う場合は、必ず、サイロ替えを行い芯抜きは行わないこと。

2.精選の実施について

 未精選籾は、未熟粒が多く、微生物が繁殖しやすく、貯蔵性が劣りますので、仕上げ乾燥が終わった籾は、精選を行い健全籾の状態で貯蔵して下さい。
 同時に計量・サンプル抽出工程を精選作業と併せて行い、貯蔵籾の重量・品質を把握するようにお願いします。

3.良品質米の出荷について

 本年産米の刈り取り時期は、台風の影響で刈り遅れ等の被害粒混入が懸念されます。
 このことから各施設において丁寧な精選や適切な網目の使用により、未熟粒及び被害粒の混入を減らし、良品質米に仕上げるようご努力をお願いします。
 なお、色彩選別機が設置されている施設では、被害粒及び未熟粒等の除去に最大限の活用をお願いします。

※ 近年、販売先からクレームとして、着色粒(カメ虫)混入、異種穀粒混入、胴割粒混入等が多く寄せられております。また、粒度等をはじめとした品質の地域差縮小の統一的取組みが期待されておりますので細心の注意を払って施設調製をお願いします。


平成30年度 米の品質事故防止強化月間中

CEの稼働最盛期に会わせ、「米のCE品質事故発生防止強化月間」として設定され、品質事故防止、および火災・人身事故防止等、安全な施設運営に取り組むことなっております。
 期間は平成30年8月1日から10月31日までの3ヵ月間(期間は終了しても事故防止は継続)  ※ JAグループ及び農業倉庫基金作成の『カントリーエレベーター品質事故防止カレンダー』に記載された事項を再確認いただき、無事故で円滑な施設稼働をお願いします。