6月26・27・30日に実施しました、小麦の共同乾燥調製施設荷受け時巡回には、大変お忙しい中ご協力を頂きましてありがとうございました。
令和5年産小麦の施設荷受けは、小麦の「赤かび病」多発の注意報が出され、過去10年間で2番目に高く、防除が実施されていない搬入麦は、赤カビ病に感染している場合があり、また、本年は風雨による水濡れや倒状の影響で小麦の穂発芽による「低アミロ小麦」の発生が懸念されていますので、確実な仕分けをして頂いたところです。
今後は良品質麦生産に向けた「乾燥・調製」を丁寧に実施して頂き、特に7月から9月にかけては外気温の上昇とともに害虫の繁殖最盛期でもありますので、貯蔵害虫の被害防止等について、下記事項にご留意をお願いします。
また、葉いもちの発生が平年より8日早く確認されており、発生ほ場率が32.2%と過去10年で最も高く、葉いもちは穂いもちの伝染源となるため、いもち病が発生しやすいほ場(育苗箱施薬剤を施用していないほ場、日当たりや風通しの悪いほ場等)は、必要に応じて防除をしましょう。
記
① フレコン詰めした麦を、施設の下屋等で仮置き期間が長くなると、コクゾウ、ココクゾウ、バクガ、ノシメマダラメイガ(ノシメコクガ)が繁殖しやすい環境にあります。できるだけ早く、保管倉庫に移送し、被害が発生しない対策と管理をお願いします。
② 貯蔵時は、原則的に穀温20℃以下に低下させてから、貯蔵を開始しますが、もしそれを超える場合には、気温が低下した時を見計らって、出来るだけ早い機会にローテーションを行うなど、穀温を確実に低下させてください。
また、毎日穀温の動きをグラフ化して監視し、上昇の兆しがあれば、ローテーションを行って醗酵変質・害虫発生等の有無を確認してください。
環境美化は、貯穀害虫の防止対策としても、大変重要です。
① 施設内の各設備、機器および作業場並びに包装容器、フレコン等害虫の潜伏場所となる資材や、それらの置き場を含めた清掃と害虫防除措置を行ってください。
② 敷地内の雑草を取り除き、資材・物品を放置しないようにして下さい。
※参考 主な貯穀害虫の繁殖条件
害虫名 | 主な 加害穀物 |
繁殖温度 | 繁殖湿度 | 越冬 | |||
最低 | 適温 | 最低 | 適湿 | 形態 | 場所 | ||
コクゾウ ココクゾウ |
米、小麦、 大麦 |
13℃ | 27~30℃ | 60% | 85% | 成虫 一部成虫 |
台木の下、倉庫周辺の材木や石の下等 (15℃以下) 庫内の穀物中や台木下、敷材の下 |
15℃ | 28~32℃ | 成虫 一部幼虫 |
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ノシメマダラメイガ (ノシメコクガ) |
玄米、 小麦の胚芽、 ぬか層 |
18℃ | 28~32℃ | - | - | 外 | 庫内、柱、台木の割れ目、麻袋・紙袋の折り目などに巣を作って休眠 (20℃以下) |
バクガ | 小麦、 大麦、籾 |
14℃ | 26~30℃ | 30% | - | 幼虫 | 穀粒中 |