No.3 小麦の品質低下防止対策をしっかりと!

早刈り、刈り遅れは品質を低下させることから適期収穫を

 麦の刈取適期は、子実水分30%以下になる時期で、小麦では成熟期から2~4日後、大麦では1~3日後に行い、ビール麦では水分25%以下で収穫をお願いします。
 収穫期は梅雨に入ってからとなる可能性がかなり高くなります。よって梅雨の合間を縫っての刈り取りとなる場合は、ほ場の観察を十分に行い、立毛の状態でこまめに子実水分を測定して、刈り遅れないよう、ほ場ごとの刈り取り作業計画を綿密にたてて下さい。
 ただし、今後の気温が平年より高くなると、成熟期は平年より早まるので、収穫作業が遅れないよう、準備は怠りなく整えておいて下さい。
 また、小麦は、たんぱく、灰分、容積重、フォーリングナンバー(でんぷん)により品質評価され、その結果により、国からの交付金額が決定されることから、良品質麦が生産されるよう下記事項にご留意の上対応をお願いします。

1.荷受計画の作成と実行 (農業倉庫と防災誌より)

(1)荷受水分への配慮について
乾燥は穀物の水分が大きく影響します。CEの設計時には、小麦、大麦、ビール大麦、それぞれ乾燥能力に見合った荷受重量とセットで荷受水分が設定されています。よって各CEでは、この数字を再確認する必要があり、実際の持込水分は天候に大きく左右され、さらに異なります。

(2)荷受計画の作成と実行について
荷受計画を作成し、計画荷受を実行することが大切です。
荷受計画といえば、すぐに1日何トンと荷受重量を連想する人が多いと思いますが、荷受水分への配慮が必要です。そのため、荷受計画で天候不順の場合は 高水分麦に対応するために、乾燥能力に見合った荷受量に減らすことであり、変質に近い麦に対応するためには、CE内および他の施設で別処理するなどあらかじめ対応策を決めておく必要があります。

2.適切な乾燥作業(全国CE協議会「CE情報」№117より)

(1) 乾燥温度と水分について
小麦の加工適性上の品質と乾燥の関係は、加工上の品質が低下し始める前に、発芽率が低下する傾向が認められていることから、高い発芽率が確保できる乾燥条件を設定します。
即ち、発芽率低下を5%程度許容するとして、乾燥開始時の水分と送風温度との関係を示すと概ね次のとおりです。①水分40%以上:40℃以下、②水分35~40%:45℃以下、③水分25~30%:50℃以下、④水分20~25%:60℃以下。水分が20%を下回れば60℃をこえても支障がないとされていますが、穀温は40℃程度に留めるべきです。(※送風温度と穀温は異なります)

(2)半乾燥貯留時
麦の乾燥時期は外気の温湿度が高く、原則的には半乾貯留を実施しませんが、荷受の関係で半乾貯留を行う場合は、必ず17%以下にします。荷受時に荷口ごとの水分で5%以上の差があるものが混合されている場合は、安全のため15%以下の水分にします。また、籾に比べて熱風温度が高めでも必ず冷却パスを行ってからサイロに入れ、半乾貯留日数は3日以下と考え、乾燥機が空き次第、少しでも水分を下げるよう努力して下さい。

お知らせ

平成27年度共同乾燥調製施設設置農協
担当課長及びオペレーター研修会の開催について(麦類関係中心に)

開催日時:平成27年5月21日(木)13:30~17:00
開催場所:ライズヴィル都賀山 5F ロータス

※本年度、新たに施設担当(CE・RC)に配属された方々もおられると思いますが、是非この研修会に出席をお願いします。なお、出席者の報告は、近江米振興協会事務局までFAXでお願いします。
FAX(077-523-5611)