麦の刈取適期は、子実水分30%以下になる時期で、小麦では成熟期から2~4日後、大麦では1~3日後に行い、ビール麦では発芽勢を確保するため子実水分25%以下で収穫をお願いします。
県農業技術振興センター麦生育情報(№6)では、出穂期は平年並みであったが、開花期は4月の気温が高かったことから平年より早まっています。しかし、積雪期間が長かった地域では、出穂・開花は平年より遅れています。しかし、今後の気温によって登熟の進みが変わるため、子実水分に注意し、収穫が遅れないよう、準備を整えてください。
このことから、5月9日時点の本年の成熟期予測は、5月11日以降の日平均気温が平年並みの場合で「農林61号」では6月5日、「ふくさやか」では6月2日となっており、「農林61号」で平年より1日遅く、「ふくさやか」も平年より1日遅くなっています。
現在、水稲の育苗苗出荷等で、大変お忙しい時期ではありますが、良品質麦が生産されますよう下記事項にご留意の上、対応をお願いします。
記
①発熱の有無→手で触って熱くないか?
②発酵・異臭→発酵・腐敗臭はないか?
③穂発芽粒→目視でチェック
④着色粒→赤かび粒をチェック
⑤水分→麦の収穫期は高温・多雨期であり、高水分麦の搬入も多くあると考えられます。荷受け時の水分仕分は、指導では2%刻みが基本ですが、仕分け容器、乾燥機の基数・能力等から4~5%刻みで区分して受けるのが現実的と言えます。しかし、このようなきざみで区分することが困難な場合は最低でも水分の比較的低いものと高いもの(例えば25%以下とそれ以上)に2区分して乾燥を行ってください。
(1) 乾燥温度と水分
①水分40%以上:40℃以下
②水分30~40%:45℃以下
③水分25~30%:50℃以下
④水分20~25%:60℃以下
(2) 半乾燥貯留時
麦の乾燥時期は外気の温湿度が高いため、半乾貯留を行わず速やかに仕上げ乾燥するように努めます。また籾に比べて熱風温度を高く設定することが多いため、穀温も高い状態になっていますので、外気温度が高めでも必ず冷却パスを行ってからサイロに入れます。半乾貯留日数は3日以内と考え、乾燥機が空き次第少しでも水分を下げるように努力してください。
(3) 仕上げ乾燥
仕上げ乾燥は12%以下(品位規格は12.5%)まで確実に実施し、水分のバラツキが無いことを確認します。乾燥中はこまめに水分測定を行い、可能であれば単粒水分計を使用して水分のバラツキ状態を把握、バラツキの大きい場合はその解消に努めてください。
麦の貯蔵開始時期は気温・湿度とも高いので、穀温が高いまま貯蔵することになります。外気温が低下する時期にローテーションを行い、穀温をできるだけ早く20℃以下にすることが肝要です。
麦貯蔵中の穀温は必ず記録し、グラフ化して監視をしてください。