本年の気象状況の気温については、2月全般から3月上旬まで低く推移した。日照時間は2月は平年並みで3月上旬はやや多かった。降水量は2月全般は平年並みで、3月上旬はかなり少なかった。
3月中旬は平年並。大阪管区気象台発表では、向こう1か月の気温は高く、降水量は平年並または多く、日照時間は平年並または少ない見込みで、赤かび病菌の胞子飛散および感染に好適な条件になると予想され「赤かび病」の発生時期は平年並みで、発生量はやや多く見込まれます。
オオムギとコムギの出穂期は平年並みと予想されることから、小麦(びわほなみを除く)は開花始め~開花期に農薬を散布する。小麦(びわほなみ)および六条大麦は赤かび病に弱いことから、開花始め~開花期とその7~10日後頃に農薬を配布する。薬剤散布後に気温が高く、曇雨天が続く場合は、直前の散布の7~10日後頃に追加防除を行う。
早めに出穂期、開花期を確認し、実肥施用や赤かび防除が適期に行えるように注意する。
今後は排水対策、小麦の実肥施用、赤かび病防除、六条大麦の止め葉期追肥、大麦の赤かび病防除等、下記事項にご留意願い良品質麦生産に向けたご指導をお願いします。
記
① タンパク含量及び収量を高める生育後期の追肥施用等により、高タンパク質含有量麦の生産がなされるよう事前対応をお願いします。
② 容積重については、刈り遅れて雨にかかると低下することから、適期収穫が非常に重要となっております。
※上記2点(タンパク・容積重)を向上させ、品質評価基準をクリアする高品質麦の生産を‼
赤かび病菌は人や家畜に有毒なかび毒である、デオキシニバレノール(DON)などを生産します。そのため、日本では、小麦に含まれる DON の基準値が 1.0ppmと定められており(2022 年 4 月施行)、基準値を超えた小麦は食品衛生法上、流通することができません。また、農産物検査規格においても、赤かび粒の混入は 0.0%以下(1万粒検査した場合4粒以下)と定められており、これを超えると規格外となってしまいます。
共乾調製施設等においては、赤かび病被害粒が混入しないよう、粒厚選別、比重選別等により調製を行い、DON含有濃度(厚労省1.0ppm)の低減を図ることが可能です。
粒厚とDON含有濃度の関係は、必ず一致する訳ではありませんが、粒厚が薄いほどDON含有濃度が高い傾向にあることが確認されています。
① 需給のミスマッチ解消・・・・・ミスマッチの解消および需要に見合った作付けの実行。
② 良品質麦の生産
③ 品質クレームが起きない保管管理の徹底。実需者の引き取りやすい保管体制の確立。
④ DON・残留農薬検査の情報開示。
短期間の荷受け期間中に機械が故障し、荷受けが出来なくなりますと、搬入麦の滞貨により、発熱・醗酵の恐れがありますので、稼働前の各種機械の点検 ・ 整備は丁寧に行って下さい。前年度に不具合が発生した箇所は、必ず点検・整備を実施して下さい。
開催日時:
令和4年5月27日(金) 13:30 ~ 17:00
開催場所:
滋賀県農業教育情報センター1F 第一研修室