CEサイロ内籾の穀温に変化はないでしょうか。真冬に発生した結露による事故の発見は春先が多いので、籾保管しているCEでは「穀温変化」と「サイロ内の結露確認」を怠らずに実施して下さい。
特にCEの品質事故もJAの管理者や経営者層は、オペレーターに任せたままのケースで事故が起きる事が多く見られ、管内で最も多額の農産物である米を貯蔵しているCEへ管理者や経営者層は関心を持って気配りを頂きますようお願いします。
今後の保管管理には下記事項にご留意の上、十分な注意と対策が必要です。
記
午前8時から10時頃の外気温との差が10℃を超えていないかをチェックし、超えていれば速やかにローテーションを実施して下さい。「既にローテーションを行ったから」と安心していてはいけません。外気温度がまだ高かった秋に行ったローテーションでは、籾は完全に冷えていない可能性があり、再度「サイロ内籾の穀温チェック、および穀温と外気温度との差」の確認を行い、もし前日、全々日に比べて1℃も上昇していれば、即ローテーションの実施をお願いします。
出庫前 (籾摺り前) には、先ずサイロ内の結露確認を行って下さい。
酸素欠乏危険作業主任者の指示にもとづき、サイロ内に結露が発生していないか確認を行い、もしも結露が発生していた場合は、品質劣化籾と正常籾との混合を避けるための措置を行って下さい。(排出作業はロープ、バケツ方式等で)
4月以降に出庫予定の籾の管理は、出庫予定の籾を一旦別容器(別のサイロやDSビン又はタンク)に移し替え、外気の温湿度に馴染ませ、少なくとも5時間以上放置した後に籾摺りを開始して下さい。
外気温度とサイロ内籾の穀温との差が、3~4℃以内であれば結露の心配はないことになりますが、それ以上の差がある籾を出庫する場合は上記操作が必要です。
○ 気温について、2月上旬から3月中旬まで高く推移した。特に2月中旬はかなり高かった。
日照時間は2月中旬は多く、3月上旬は平年並みで、2月上・下旬および3月中旬はやや多かった。
降水量は2月上・中旬および3月中旬は平年並みで、2月下旬と3月上旬はやや少なかった。
○ 県農技センター麦類作況調査では、3月中旬における11月5日播きの「農林61号」の茎数はこれまで平年並みに推移していたものの、3月中旬の調査時には平年よりやや少なくなっている。草丈は平年に比べて長く、葉数は1.3枚多い。「ふくさやか」の茎数はこれまで平年に比べて多かったものの、3月中旬の調査時には平年並みになっている。また草丈は平年に比べ長く葉数は平年並みになっている。「びわほなみ」は2月中旬の調査時と同様の傾向で推移しており、平年に比べ茎数は少なく、草丈はやや長く、葉数は0.6枚多い。
○ 1月下旬から気温が高く、生育は進んでいる。11月上旬播き小麦「ふくさやか」では止葉出葉期を迎えている。
○ 茎数は早い時期から減少し始め、平年並みからやや少なくなっている。
○ 排水不良は、根の伸長が不十分となって登熟期にまで影響が及び、収量及び品質低下を引き起こすので溝に水がたまっている場合は溝さらえを行うなど、引き続き徹底した排水対策を講じる。
○ 小麦の実肥は開花期(出穂10日後頃)に窒素成分で3~4kg/10aを施用する。
○ 3月中旬時点で生育は平年より1週間程度早く進んでおり、向こう1カ月の気温も平年より高くなる確率が70%と予想されることから、出穂期は平年よりさらに早くなることが予測される。
○ 3月中旬時点では、実肥施用適期は11月上旬播種「農林61号」で4月中旬と予測しているが、播種時期や地域により生育に大きな差があるので、気象予報に注意を払いながら、麦の出穂、開花状況をよく見て対応する。
○ 実肥施用量は茎数が多いほ場(約300本/㎡以上)では窒素成分で4㎏/10aとし、それより少ないほ場では2~3㎏/10aに減らす。
○ 3月下旬~4月上旬に葉色がう淡く茎数が少ない場合は、収量を向上させるために出穂7日前に窒素成分で2㎏/10a程度追肥し、さらに出穂10日後に2~4㎏/10aの実肥を施用する。
○ 小麦及び六条大麦では開花始め~開花期に、二条大麦では穂揃い10日後頃に農薬を散布する。
○ 小麦(びわほなみ)および六条大麦は、開花始め~開花期とその1週間後に農薬を散布する。
○ 小麦(びわほなみを除く)および二条大麦については、1回目の防除の後に降雨が続く場合、雨の止み間を見て追加防除を行う。
(留意点)
○ 今作は生育が進んでいるため、開花期は平年より早くなると予想される。麦の出穂、開花状況や天候に注意を払い鉄騎防除に努める。「びわほなみ」は赤カビに弱いので、防除が遅れないように注意する。