CE情報No.10

貯蔵籾の品質事故防止のために穀温の把握に努めましょう‼
…穀温記録をグラフ化することで、その変化がよくわかります…

【令和5年産米の品質状況】

 滋賀県産米の『令和5年産米水稲うるち玄米』等級比率は、1等53.0%(前年同期68.0%)で、昨年産米に比べ1等比率が15%ほど低下しています(10月16日現在全農しが農産物検査課)。
 全体的な品質について、早生品種の「みずかがみ」は背白粒、基部未熟粒等の混入が見られ昨年より不良で整粒歩合も低い状況です。「コシヒカリ、キヌヒカリ」も乳白粒、背白粒、基部未熟粒の混入が著しい状況となっています。「日本晴、秋の詩」についても平年より著しく不良の状況で、いままで経験したことのない品質状況となりました。また収量は品種を問わず総じて不良となっています。
 近畿農政局が10月13日に公表した作況指数では滋賀は「97」でした。「コシヒカリ」「キヌヒカリ」といった早生品種が分げつする5月6月に日照不足となり生育が進まなかったことと7月末からの出穂後に高温となったことにより、不稔もみや登熟不良を発生させたと考えられます。
 このような品質状況の中、各施設では出荷時期を迎え、荷受籾の品質にも左右されますが、良品質米の出荷を目指して最大限のご努力をお願いします。また、貯蔵中の籾について、常時穀温を把握し、穀温の上昇傾向が見られたら、速やかにローテーション等を行い、穀温の事故が発生しないよう下記事項に留意し施設稼働をお願いします。

1. 精選作業について

 サイロに貯蔵保管する籾は、全量精選を実施されていると思いますが、精選籾に比べ未熟粒等は水分が高い事が多く、これらが混入していると貯蔵中に精選籾の水分に影響を与えかねません。長期貯蔵の前には、必ず精選を実施して下さい。

2. 貯蔵中の穀温管理について

 穀温記録をグラフ化することで、その変化がよくわかります。基本的には、冬場に向かって外気温 とともにゆっくりと低下するのが正常ですが、仮に上昇するようなことがあれば、わずかであっても「異常の兆し」と受け取るべきです。また、それ以外の目的でも、穀温を監視し「グラフ化」することが大切です。平均外気温と穀温の差が5℃を超えれば要注意で、10℃を超えれば直ちにローテーションを行わないと結露の危険がありますので、穀温管理の「グラフ化」を行いましょう。

3. 結露防止について

 外気温と穀温を毎日定時に測定し、穀温の上昇傾向が見られたら、結露の発生の有無を確認して、速やかな対応をお願いします。

注:サイロ内の貯蔵量(保管量)が少ないと、上部空間が大きいため、より外気温の影響を受けやすく、結露が発生しやすくなることから、特に注意をお願いします。

4. 施設内外の整理・整頓・清掃について

 米・麦は食品です。これを取り扱っている施設は、「食品工場」となります。CEで大変な苦労をして品質向上に取組み、どんな良い米麦を出荷しても、施設内外の環境美化を良くしないと、出荷米麦のイメージが悪くなります。また、日々の整理・整頓・清掃は、害虫の発生防止やネズミ被害の予防にもなりますので「環境美化」に努めるようお願いします。
 衛生的な環境に保つための衛生管理の基本として「5S」があります。5Sとは、「整理」・「整頓」・「清掃」・「清潔」・「躾」という5つの実施事項のことで、ローマ字にした時(Seiri、Seiton、Seisou、Seiketsu、Sitsuke)の頭文字すべてがSになることから5Sと言われています。(しつけを「しゅうかん」とすることもあります。)

令和5年度 農業倉庫火災・盗難防止強化月間の取り組み

 農業倉庫を運営する者は、農業倉庫における火災・盗難事故を未然に防止し、保管管理の万全を期するため、次の事項を実施する。

1.防災体制の確立

(1) 農業倉庫の防災体制を確立し、災害時における役職員の行動基準を定める。

(2) 消防署・警察署の協力を得て、防火・防犯の指導を受け、防災訓練等を実施する。

2.施設の点検と整備

 防火・防犯意識を高め、農業倉庫の火災・盗難事故防止に重点を置いた倉庫見回り、施設・設備の整備・点検、倉庫内外の5Sの徹底を図り、保管管理に万全を期する。

期間:令和5年11月15日~令和6年1月31日

令和5年度
農業倉庫火災・盗難防止強化月間の取り組み

 農業倉庫を運営する者は、農業倉庫における火災・盗難事故を未然に防止し、保管管理の万全を期するため、次の事項を実施する。

1.防災体制の確立

(1) 農業倉庫の防災体制を確立し、災害時における役職員の行動基準を定める。

(2) 消防署・警察署の協力を得て、防火・防犯の指導を受け、防災訓練等を実施する。

2.施設の点検と整備

 防火・防犯意識を高め、農業倉庫の火災・盗難事故防止に重点を置いた倉庫見回り、施設・設備の整備・点検、倉庫内外の5Sの徹底を図り、保管管理に万全を期する。

期間:令和5年11月15日~令和6年1月31日

※ JAグループ及び農業倉庫基金作成の『カントリーエレベーター品質事故防止カレンダー』に記載された事項を再確認いただき、無事故で円滑な施設稼働をお願いします。

以 上