CE情報No.6

麦の搬入施設では、令和5年産米に麦の混入防止‼

 本年の水稲作況調査(7月27日時点)では、「みずかがみ」「コシヒカリ」とも草丈は平年並、茎数は少なく、葉色は「みずかがみ」では平年並み、「コシヒカリ」では平年よりやや薄い状態です。「みずかがみ」の出穂期は、平年より1日遅い7月23日、「コシヒカリ」では、平年と同日の7月27日と頃に出穂期を迎えています。
 このような生育状況から、早生品種(「コシヒカリ」等)だけでなく、中生品種(「秋の詩」等)でも、出穂後30日を過ぎたら収穫できるよう準備をし、収穫時期が近づいたら、ほ場に入って穂(籾)をしっかり確認し、黄化籾が85~90%になった頃に収穫を開始します。特に高温年は出穂のばらつきが大きくなる傾向があるので、収穫適期をしっかり見極めて刈り遅れのないよう注意しましょう。

【気象経過】

彦根気象台観測、平年は過去10年間の平均値との比較出典:滋賀県農業技術振興センター 水稲生育診断情報No.4

期間 最高気温 最低気温 日照時間 降水量
6月 下旬 平年並 やや高い かなり少ない やや多い
7月 上旬 高い やや高い 多い 少ない
下旬 高い やや高い 多い かなり少ない
(注)

気温 <±0.5℃:平年並、±0.5~1.0℃:やや高い(低い)、±1.0~2.℃:高い(低い)、±2.0℃<:かなり高い(低い)

日照時間 <±5hr:平年並、±5~10hr:やや多い(少ない)、±10~15hr:多い(少ない)、±15hr<:かなり多い(少ない)

降水量 <±10mm:平年並、±10~20mm:やや多い(少ない)、±20~30mm:多い(少ない)、±30mm<:かなり多い(少ない)

【施設内の徹底した清掃】

 本年産麦の荷受けを行った施設では、施設内の徹底した清掃を行い、麦が産米に絶対混入しないよう、大変暑い中非常に厳しい作業ですが、下記事項にご留意願い清掃をお願いします。

1. 麦粒の混入防止について

① 麦の荷受け稼働施設では、麦の残留がないよう徹底した清掃をお願いします。
荷受けホッパー・搬送機(ベルトコンベアー・昇降機)・ビン・サイロ等は麦の残留の可能性が高いので、特に注意をして清掃をお願いします。

② 生産者が麦の収穫・搬送に使用したコンバイン・フレコン等の清掃についても、周知徹底をお願いします。

2. 施設稼働前の点検について

① 老朽化施設では、機器が故障しても、メーカーに在庫が無い場合がありますので、事前の点検や前年産米の稼働・本年産麦稼働時での不具合箇所については必ず修理、修繕が必要です。

② 各種計器類は、必ず精度を確認・調整してください。

3. 水稲の今後の管理について

(1) 適正な水管理《出穂前後各3週間の常時湛水》

 出穂期前後は、水稲の一生の中で最も多くの水を必要とする時期、水が不足すると稲が十分に光合成ができず、白未熟粒の発生や籾の充実不足が助長されます。また、湛水管理はカドミウムの吸収を抑制させることができます。したがって出穂前後各3週間は常時湛水管理とします。

(2) 病害虫防除(7月19日発表の「病害虫発生予報第7号」より抜粋)

① 穂いもち (発生時期:平年並、発生量:多) 【葉いもちの発生量がやや多くなっています。注意報第2号を参照に防除する!】 1) 葉いもちは、穂いもちの伝染源となるため、発病を確認したら直ちに薬剤を散布する。 2) 穂いもちは、圃場の状況をよく確認し、適期に防除する。 3) 薬剤耐性菌の出現を防止するため、同一グループ薬剤を連用しない。 4) 薬剤は、県農作物病害虫雑草防除基準を参照のこと。なお、薬剤の散布にあたっては、ラベルをよく確認し、使用基準を遵守する。 ② 紋枯病 (発生時期:平年並) 1) 前年の発生の多かった圃場では特に注意する。 2) 発生が多い圃場では、薬剤が株元によくかかるように散布する。 ③ 斑点米カメムシ類 (発生時期:平年並、 発生量:平年並) 1) 水田内にヒエなどのイネ科雑草が繁茂していると、斑点米カメムシ類が集まるので早急に除草する。 2) 雑草管理が不十分でイネ科雑草の出穂が多く認められる畦畔・雑草地の除草は斑点カ メムシ類を水田内に追い込むことになり、被害が拡大する恐れがある。
やむなく除草を行う場合は、本田への薬剤防除前日に実施する。
3) 圃場周辺の畦畔や雑草地にカスミカメムシ類が多い場合は、乳塾期頃(出穂7~10日後)に防除を実施する。 4) 穂揃期に大型の斑点米カメムシ類が確認できる圃場では、糊塾期頃(出穂16日を中心に10~20日後)にも防除を実施する。 5) 粒剤を施用する場合、田面を露出させない程度に湛水状態とする。散布時期は乳塾期頃(出穂7~10日後)とするが、一部薬剤は散布時期が異なるので注意する。
④ コブノメイガ(発生時期:平年並、 発生量:平年並) 1) 9月上旬までに収穫可能な極早生・早生品種では、防除の必要性は低い。 2) 晩生品種や晩植田、直播田では被害が発生いやすいので特に注意する。 3) 防除の目安は、中生・晩生品種では、8月上旬の被害株率が20%以上、又は8月中旬に上位2葉の被害葉率が20%以上とする。

令和5年度 米の品質事故防止強化月間中

令和5年度
米の品質事故防止強化月間中

 CEの稼働最盛期に会わせ、「米のCE品質事故発生防止強化月間」として設定されJAグループが一体となって全国一斉に運動を展開し、品質 事故防止、および火災・人身事故防止等、安全な施設運営に取り組むことになっております。

 期間は8月1日から10月31日までの3ヵ月間(期間は終了しても事故防止は継続) ※ JAグループ及び農業倉庫基金作成の『カントリーエレベーター品質事故防止カレンダー』に記載された事項を再確認いただき、無事故で円滑な施設稼働をお願いします。

以 上