No.8 麦の稼働施設では、令和2年産米に麦の混入が発生しないよう清掃の徹底を‼

 本年の水稲生育状況(7月20日時点)は、「みずかがみ」「コシヒカリ」とも草丈は平年並みであった。
 茎数は両品種ともに平年より少なかった。葉色は両品種とも平年より濃く推移しています。
 (県農業技術振興センター「水稲生育診断情報NO4」より抜粋)

 また、本年産麦の荷受けを行った施設では、施設内の徹底した清掃を行い、麦が産米に絶対混入しないよう、大変暑い中非常に厳しい作業ですが、下記事項にご留意願い清掃をお願いします。

Ⅰ. 麦粒の混入防止について

1.麦の荷受け稼働施設では、麦の残留がないよう徹底した清掃をお願いします。
荷受けホッパー・搬送機(ベルトコンベアー・昇降機)・ビン・サイロ等は麦の残留の可能性が高いので、特に注意をして清掃をお願いします。

2.生産者が麦の収穫・搬送に使用したコンバイン・フレコン等の清掃についても、周知徹底をお願いします。

Ⅱ. 施設稼働前の点検について

1.老朽化施設では、機器が故障しても、メーカーに在庫が無い場合がありますので、事前の点検や前年産米の稼働・本年産麦稼働時での不具合箇所については必ず修理、修繕が必要です。

2.各種計器類は、必ず精度を確認・調整してください。

Ⅲ. 水稲の今後の管理について

1. 適正な水管理《出穂前後各3週間の常時湛水》
出穂期前後は、水稲の一生の中で最も多くの水を必要とする時期、水が不足すると稲が十分に光合成ができず、白未熟粒の発生や籾の充実不足が助長されます。また、湛水管理はカドミウムの吸収を抑制させることができます。したがって出穂前後各3週間は常時湛水管理とします。

2. 病害虫防除(7月21日発表の「病害虫発生予報第7号」より抜粋)
 ①穂いもち(発生時期:平年並、発生量:やや多)
 【一部地域で葉いもちの発生が多くなっています。防除情報第3号「穂いもちに要注意!」を確認しましょう!】

(1)「コシヒカリ」「キヌヒカリ」「秋の詩」「滋賀羽二重糯」は発生しやすいので特に注意する。

(2) 粉剤や液剤で防除する場合は、防除適期を逃がすと著しく効果が低下するので、必ず穂ばらみ期~出穂期に防除する。

(3) 薬剤耐性菌を生じやすいので、同一グループ薬剤の連用を避ける。

 ②紋枯病(発生時期:平年並、発生量:平年並)
 【ほ場での発生を確認しています】

(1) 前年の発生の多かったほ場では特に注意が必要です。

(2) 防除の目安は、極早生・早生品種では発病を認めた場合、中生・晩生品種では出穂20日前の発病株率が15~20%以上。

(3) 病勢進展初期(幼穂形成期~穂ばらみ期)に株元までよくかかるように薬剤を散布する。

 ③斑点米カメムシ類(発生時期:平年並、発生量:やや多)
 【クモヘリカメムシやホソハリカメムシなどの大型カメムシの発生が多い傾向です。防除情報第4号「斑点米カメムシ類を適期に防除しましょう」を確認しましょう!】

(1) 畦畔や雑草地にカスミカメムシ類(アカスジカスミカメ、アカヒゲホソミドリカスミカメ)の発生が多い場合は、乳熟期頃(出穂10日後)に防除する。

(2) 出穂期に大型斑点米カメムシ類(ホソハリカメムシ、クモヘリカメムシ、トゲシラホシカメムシ)が確認できるほ場では、糊熟期頃(出穂10~20後)にも防除する。

 ④コブノメイガ(発生時期:早、発生量:多)
 【ほ場での発生は早く、発生量も多い傾向にあります。ほ場を確認するとともに今後の情報に留意しましょう!】

(1) 9月上旬までに収穫可能な極早生・早生種では、防除の必要性は低い。

(2) 晩生品種や晩植田、直播田では被害が発生しやすいので特に注意する。

(3) 防除の目安は、中生・晩生品種では、8月上旬の被害株率が20%以上、または8月中旬に上位2葉の被害葉率が20%以上とする。

3.けい畔2回草刈りでカメムシ防除

① 出穂2~3週間前と出穂期の2回の草刈りを行って下さい。

② けい畔でイネ科雑草の穂を出させないようにして下さい。

③ 地域で話し合い、一斉に実施するよう計画をして下さい。

2回草刈りでカメムシ防除を!!